経済のお話#7

#6よりつづき・・・ 相対的貧困への誤解と少しでも解こうと。 自分は高卒で入社したので給料は安い。でも友人たちは大卒で入社しているので、社会人として自分のほうが早く入って仕事もできるはずですが、大卒する22歳前後の時点で … “経済のお話#7” の続きを読む

#6よりつづき・・・
相対的貧困への誤解と少しでも解こうと。

自分は高卒で入社したので給料は安い。でも友人たちは大卒で入社しているので、社会人として自分のほうが早く入って仕事もできるはずですが、大卒する22歳前後の時点で友人たちのほうが給料は高い。低所得が低所得を生みます。自分はなんとか這い上がれた程度です。

仮に自分も奨学金を借りて進学したとするなら、給料のレベルこそ同じになるんでしょうが、奨学金という大きな借金を抱えていることになります。ゼロからのスタートならともかく、マイナスからのスタートです。しかも10万円とかではなく、もうひとつケタが違う、数百万円。社会人になりたての年齢であまりにも負債が大きすぎます。自分の今の給料でもその負債は大きいと思います。そういうことになるのがあらかじめ予測できたので、自分は奨学金まで借りて進学しようとは思いませんでした。いくら給料が高卒より大卒のほうが高くなっても、奨学金返済があれば、給料が少なくなっているのと同じと考えたからです。

奨学金を借りた人たちはもとからのスタート地点が違うわけです。人生のいろんなことに遅れが出てきます。一般論ですが、奨学金の返済を持っている人は何か買おうと思っても先に返済があるので、大きな買い物には消極的です。主に大型家電やバイク、自動車、パソコンなど。貯金できる金額に限りがあることから、特に男性は結婚も遅れます。もちろん親にも結婚資金を出してもらえることなんてありえません。女性のみなさんに伺いたいですが、奨学金の返済を持っている人と結婚しようと思わないのではないかと。「働けど働けど楽にならず」です。知人の女性で奨学金を借りていたため相手に迷惑をかけられないと完済してから結婚しようと、5年も待ってもらってその後 結婚したという話を伺いました。子供をふたり望んでいましたが、年齢的に無理ということで子供ひとりであきらめたそうです。この話でも少子化です。

かたや相対的貧困でない人は、進学塾に通うことができたりするので、レベルの高い大学へ進学できやすくなります。レベルの高い大学卒なら給料もいい企業へ就職できたりします。親からある程度は物を買い与えられて、そしていい人がいれば社会人なりたてでも親の支援で結婚できたりします。親の所得によって学力や人生の差ができるといえます。

アルバイトしてるんだから、その給料を塾代に回せばいいじゃないかという話もありますが、根本的にその話は間違っています。アルバイトしているから塾へ行って勉強する時間がありません。今度は寝る時間を削って参考書を使い勉強できるのでは?という考えもあります。寝る時間を削って勉強しても、アルバイトして疲れたカラダでは集中力が上がらず身に付きません。勉強できる環境ないということです。

自分の例でいえば、社会人になって数年間はもらった給料 全部使い果たしました。普通の生活費や当時でも普通の家ならあるはず物がまったくなかったので、どんどん買っていきました。車の免許を取ったりとか。20代前半は遊びに誘われても行くお金があまりありませんでした。友人たちには「早くから働いているのに、なぜそんなにお金がないのか」と聞かれたこともあります。理解してないんですよ、相対的貧困を。彼らは世間知らずのボンボンです。おそらく今も理解してないと思いますが(笑)。

先進国の相対的貧困は、ハタから見ても貧困には見えないんだということです。気を付けてよ~く観察しないとわからないレベル。困ったことに、教える側の先生たちが相対的貧困を理解してないことにもあります。

参考:東洋経済オンライン「若者の貧困」に大人はあまりに無理解すぎる「大学は最悪の”組織的詐欺”を行っている」

#8に後日つづく